はじめに
蓄電池システムのメーカは、実績のある国内メーカから、比較的新規の海外メーカまで10社程度あります。インターネットの蓄電池のお勧めサイトでは、それぞれのメーカ、機種については特徴がまとめられていますが、容量、機能から保証制度に至るまで多くの情報に溢れています。
私もいろいろなサイトで調べる中で、気になったのは大容量で商品力の高そうなパワーウォールでした。
インターネット上である程度の予備知識を得た後、一括見積サイトにて、複数の販売施工会社を紹介いただき、最終的に3社様とコンタクトを取っています。
それぞれと打合せを行いお勧めの機種についての説明や、見積もりもいただきました。合わせて、メーカホームページやカタログ等で候補機種の調査を行った上で、いろいろ検討を重ねた上で最終的にパワーウォールを選択しました。
パワーウォールの一番の決め手は、性能と費用のバランスの良さです。特にテスラのファンというわけではなく、どちらかといえば日本メーカの方が好みでした。比較検討の結果、純粋に商品力が高く、私の環境にも十分にマッチするということで選びました。
この記事では、パワーウォールの特長について、下記の4つに分けて説明します。
特徴1:大容量&高出力 ➡ 全負荷対応
特徴2:高効率なパッケージング ➡ 設置工事がシンプル
特徴3:スマホアプリによる運転管理 ➡ いつでもどこでも
特徴4:高いデザイン性 ➡ 所有する満足感アップ
特徴1:大容量&高出力(全負荷対応)
蓄電池システムに求めたい基本性能をはじめから兼ね備えていると言えます。カタログ値である13.5kWhは実効容量です。実際に数値通りに使えているだけではなく、自宅に設置された機体では若干プラスマージンがあります(10年保証も踏まえた設計マージンと思われます)。
90%の充放電設定だと実質的に日々12.1kWh使えることになります。我が家にようにオール電化で年間5000kWh程度の発電量がある自宅にはベストと思います。
交流出力も連携運転時(通常時)、自立運転時(停電時)共に5.9kVAというのも申し分ありません。オール電化におけるスタンダートな契約電力である6kVA相当であり、充電量さえあれば買電が発生することはほぼありません。
当然200Vも対応しており、完全に家を丸ごとバックUPできることになります。
特徴2:高効率なパッケージング(設置がシンプル)
システムを構成する機器は基本2つです。
1つは蓄電池とパワコンを収めた本体、もう1つは制御・通信機器及びブレーカ等の配電部材を収めたゲートウェイと呼ばれる箱です。設置、配線作業が最小となる最も効率のよいパッケージングといえます。ゲートウェイは既存の自宅分電盤の近くに配置し、本体を繋ぐイメージなります。
分離型のシステムだと、パワコンやモニタ&通信機器が分かれており、メーカによっては200V対応の機器も必要となります。機能や容量をカスタムメイドで組み合わせられるという意味では利点がありますが、その分壁に箱が増えて、配線工事も複雑となり、最終的に費用にも影響してきます。
我が家の場合は、卒FITの後付けであり、できるだけシンプルに設置したいということもあり、この点は大きなアドバンテージでした。
特徴3:スマホアプリによる運転管理(いつでもどこでも)
太陽光システムと比べると、蓄電池システムは運転状況の管理の重要性が高まります。運転モード等の設定する項目も多く、意図したとおりに充放電できているかの確認も必要なためです。
パワーウォールではスマホアプリによって運転管理を行います。リアルタイムな状況確認や運転モードの変更等に加えて、過去の充放電量、消費量などのデータを確認、あるいはCSVファイルとしてダウンロードすることが可能です。
なお、蓄電池システムは充放電制御のため太陽光の発電量も把握しているので、発電量も同様に状況確認できます。
国内メーカの多くは、モニタ付の運転管理用端末を設置する構成になっています。パワーウォールを選択する際は、専用モニタがなくて大丈夫かなと思いました。
その一方、今は良くも悪くも何でもスマホの時代であり、いつでも手元で状況を確認でき、制御できる方がやはり利便性が高いと言えます。また、アプリのアップデートにより使い勝手の向上も期待できます。
専用端末のコスト負担や、実際に取り付け場所に悩むことも考えると、スマホアプリでよかったと感じます。
特徴4:高いデザイン性(所有する満足感アップ)
パワーウォールはそのデザイン性も特徴としています。デザインの優先度は高くありませんが、実際に現物を目にするとデザインの高さを実感します。
本体は白く薄い一枚板で、側面はブラックアウトされたスリットデザインで構成されており、右側がグリーンのイルミネーションが淡く光ります。正面、側面からはビス類は一切目に入らないデザインです。
ゲートウェイもガラストップで同じようなデザインでまとめられています。人目に付くように設置してもよいと思わせるデザインです。
高価な買い物ですので、所有の満足感という意味でも、目に入ってくるデザインは重要だと思うようになりました。国内メーカもデザイン性を高めた製品も見受けられますが、もっと頑張ってほしいです。
不安な点
純粋に商品力では非常に満足できる製品で大きな欠点はないと言えます。一方、海外メーカである点を考えると長期な利用、アフターサービスという観点では不安感はなくはないです。
詳細なマニュアル類は英語ページのみとなり(もっとも詳細マニュアルを確認することなく使えます)、ソフトウェア更新の内容等に際して販売施工会社様もリアルタイムで完全に把握できていない印象もあります。
スマホアプリによるリモート運転管理も、テスラ社側のサーバー経由ですので、万が一トラブったら使い続けられるのかという心配もあります。
一方、10年間は製品保証されており、テスラの製品のみ10年後以降に急に性能劣化するとも考え難いです。
また、何かあれば販売施工会社も責任もってサポートいただけるはずですので、あまりマイナスなことは考えても仕方がないと割り切っています。
まとめ
テスラのパワーウォールについて、実際に設置工事や運用してみた経験を踏まえて、4つの特長としてまとめました。
国内メーカは太陽光システムも含めて様々な需要にこたえられるような方針でシステムが設計されています。一方、テスラはターゲットを絞り一体型でコストを抑える戦略で、使い勝手、デザイン含めて完成度の高い製品で勝負していると言えます。
主には卒FITの方で、既存の太陽光システムにシンプルに後付けしたというユーザにはお勧めできます。
次の記事