はじめに
太陽光発電、蓄電池の容量の検討に際しては、まずは日頃どの程度電気を使っているか知っておくことが重要です。また、ざっくりでよいので電気がどのような用途で使われているか、その構成比も把握しておきたいところです。
電力消費量は家族構成、保有する電気機器によっても異なり、また季節によっても大きく変動しています。
我が家はオール電化ですが、今回改めて2022年のデータを元に年間の電力消費量の推移を調べてみました。電気代明細の時間別買電量、および太陽光発電システムに記録される消費量の値をベースとし、構成比は電気機器のスペック情報も元に振り分けています。年間消費量は7200kWhです。
なお、我が家は4人家族で大学生と高校生の子供がいます。私自身も週2日程度、リモート勤務で日中も在宅しています。保有している家電や、電気の使い方についても一般的だと思っています。
電力消費量の季節変動は大きい
下の図は我が家の一日あたりの平均電力消費量の月別の年間推移です。買電量ではなく、あくまで実際に消費した電力量です。
最初に押さえておきたい点は季節変動の大きさです。温暖な時期と比べると冬季は2倍にも達しています。冬季は日も短く寒いですので、照明、暖房(エアコン)、給湯等で大きな電力を消費している実感はありますが、数値で見ると想像した以上の消費量です。
年間平均値(20kWh)のラインも重ねていますが、年間平均値そのままに相当する月は多くありません。年間平均値をかなり下回る月と大幅に上回る月に分けられるイメージです。
蓄電池容量を検討する際には、平均値に加えて最小値、最大値も頭に入れておく必要があります。
オール電化の電力消費量へのインパクト
我が家では2009年の新築時にオール電化を選択しました。オール電化を象徴する機器は、IH調理器とエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ式給湯器)です。
火を使わないというのは安全かつクリーンでもあり、契約先も電力会社に統合できるというのは魅力でした。IH調理器、エコキュート共に実際10年以上使っていますが、特に不具合もなく、使い勝手もスマートで満足しています。
その分、当然ながら多くの電力を消費することになりますが、今回分析してみて改めて電力消費量の大きさを定量的に認識しました。オール電化でない場合の年間平均値(11kWh)と比較して、概ね1.8倍です。
従来のガスエネルギー(及びガス料金)に相当するエネルギー消費を電気で賄うわけですので当然と言えます。特にエコキュートの消費電力は大きく、中でも特に冬季の消費量は大きいです。
冬は消費する湯量も多いだけではなく、水温が低い状態からの焚き上げとなることや、貯蓄湯温も低下しやすいことを考えると感覚的には納得できます。
オール電化は余剰電力の有効活用先
オール電化は電気を必要とすることを実感する一方、太陽光の電力を有効活用するという観点で見るとむしろ合理的です。
4kWのパネル容量だと一定の日照量があれば20kWh程度は日々コンスタントに発電できます。これはオール電化の消費量をカバーできるポテンシャルです。蓄電池さえあれば、太陽光発電で得た電力をそのままオール電化による消費量に充当することが可能です。
逆に言えば、オール電化でないと、折角発電した電力を自宅では活用できないということになります。
太陽光発電と連動するエコキュートは?
話題が少し変わりますが日中の余剰電力の活用といえば、最近のエコキュートの高機能機種は太陽光発電と連携することが可能です。
具体的に翌日の天気を予報して、日照量が見込めるときは夜間の焚き上げを抑えて、日照量のピーク時間帯に焚き上げる機能を有しています。エコキュートの電力消費量の大きさを考えると、日中の余剰電力の活用という意味でも有効な機能と思われます。
仮に、蓄電池を設置すればこの機能は不要に見えますが、少なくとも冬季に関してはかなり有効と考えます。これは、冬季は焚き上げのための電力消費量自体が多く、蓄電池の容量では賄えないためです。
その意味で、日中の余剰電力で直接蓄電池を介さずに焚き上げした方が効率的な側面もあります。
我が家のエコキュートも12年目であり、遠くない将来に寿命となるかもしれませんので、その時は太陽光連携のエコキュートを導入したいと思います。
まとめ
この記事では、我が家の電力消費量について分析しました。年間平均では見えない大きな季節変動があることや、エコキュートによる消費電力が大きいことを改めて認識しました。
その一方で、視点を変えるとオール電化による電力消費は太陽光による余剰電力の有効な活用先となります。3-4kW程度以上のパネル容量を設置されるのであれば、今後迎える自家消費中心の時代では、オール電化の方が経済的にも合理的です。
次の記事では買電量と売電量に着目し、自給自足の可能性について考察をまとめています。
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