はじめに
ある程度のパネル容量を設置している方であれば、天気の良い日であれば一日の消費量を十分に上回る量の発電量があるはずです。蓄電池さえあれば、自給自足できるのに…という感覚、ありますよね。
この記事では、我が家の過去の年間売電量、買電量の実績データを元に自足自給の可能性の分析を行ってみましたので、是非ケーススタディとして参考いただきたいと思います。
我が家の年間消費量、発電量
我が家はおおよそ年間消費量7200kWh、発電量5400kWhです。また、発電中に直接自家消費する分は年間1600kWhです。買電量、売電量は、それぞれ消費量、発電量から直接自家消費分を差し引いた値となりますので、年間買電量5600kWh、売電量3800kWhとなります。
月別の買電量vs売電量
自給自足の可能性を分析するには、電力会社からの明細で示される買電量と売電量を単純に比較するのが直接的です。太陽光発電システム内でも電力会社側と送受した電力量は記録されており、電力会社からの明細とほぼ一致するはずですので、どちらの数値を用いでも構いません。
まずは、月毎の自給自足の大まかな可能性を把握するため、我が家の月間の平均買電量、売電量の変化を示しました。平均値だと見えない日々の発電量や電力消費による振れ幅は背景色で示してみました。
冬季以外(5-9月)
買電量を売電量と対比してみた場合、5-9月に関しては12kWh前後で平均的にも売電量が上回るか、ほぼ拮抗しています。この程度の容量を有する蓄電池を設置すれば、多くの日で自給自足できることが想像できます。
我が家では、テスラのパワーウォール(13.5kWh)を選択しましたが、一番の決め手は容量でした。蓄電池の容量の考え方については、カテゴリ「必要な蓄電池容量」の記事で詳細に説明します。
冬季
冬季は買電量が売電量を大きく上回り自給自足ができる日々は限られます。特に12月から1月は変動幅を考慮しても自給自足は不可能といえます。これは冬季のエコキュートによる電力消費量の大きいことが主要因です。
但し、改めて強調しておきたいのは、蓄電池の設置は、完全に自給自足することが目的ではなく、あくまでも、太陽光発電の余剰電力の有効活用(自家消費)を目的とすべきという点です。
エコキュートは季節を通じて余剰電力の有効な活用先になっています。4-9月は逆にエコキュートがないと、折角発電および蓄電しても使い道がないことになります。
どれくらいの日数で自給自足可能なのか?
月別で平均してしまうと具体的に売電量が買電量を上回る日数が見えませんので、日毎データに基づき、買電量を横軸、買電量を縦軸としてマッピングしました。
左上に属するドット群は、売電量が買電量を上回る日、つまり売電量をそのまま蓄電できれば自給自足が可能な日です(もちろん蓄電池の容量によって上限が設定されます)。
右下は自給自足不可の領域となりますが、主に2つの要因があります。
自給自足ができない日
- 天候により発電量が不足している日。
- 消費量が大きく、良好な発電量が得られてもカバーできない日。主に冬季が該当。
我が家のケースでは、自給自足が可能な日は34%となりました。
冬季以外については、半分の日々は自給自足できるイメージとなります。冬季については、主にはエコキュートの影響で自給自足は厳しいですが、逆に言うと蓄電した余剰電力は全て自家消費で活用できますので、蓄電池の費用対効果という観点ではプラス要因となります。
まとめ
我が家の実績をモデルケースとして、買電量と売電量を比較して自給自足が達成できる頻度について考察しました。実運用でもこの分析に合致しており、3月後半頃から気温が高い日について、自給自足できる日が少しずつ増えてきます。
次の記事では、それで実際元はとれそうなのか?という点に、踏み込んでみます。
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