雲の基本と発電量 | 曇りといっても様々、日照量も全然違う

基本は太陽光発電

はじめに

太陽光パネルを設置された方は、誰しも天気による発電量の変化が気になります。そのため天気と発電量のおおよその関係はわかってきます(同じ曇りでも雲の種類によって結構差があるとか、どんよりした一日雨の天気だとほとんど発電しない等)。

基本的には、明るさや体感できる熱量と相関関係があるので感覚的につかみやすいですが、一概に晴れ、曇りと言っても、雲の状況によって発電量的にも大きく異なりますので、雲の種類の等も知っておくとより理解が深まります。

太陽光発電、更には蓄電池の運用に際して、その源である天気、日照量について理解を深めておくことは有意義です。この記事では、天気、雲の種類による発電量への影響についてまとめました。

雲の種類と発電量の目安

日々、晴、曇り、雨等変化する天気ですが、その天気を左右し、更には発電量に大きな影響を与える最大の要因は雲です。ここでは、基本に立ち返って、天気毎の特徴について雲を中心に説明します。

また、快晴時の発電量を100%とした場合の、天気、雲による発電率の目安も示します。

但し、主な雲を取り上げて、一定時間同じような状態が続くと単純化した場合の例です。また、メーカによっては日照強度による特性も違いも多少はあると考えられます。あくまでも、1つの目安としてご参考下さい。

快晴(100%)

全雲量(全天における雲が占める割合)が1割以下となる状況は快晴と定義されます。空一面青空で最高に気持ちよく、当然ながら発電量も最高レベルで言うことなしです。

厳密にいえば、快晴が続くと太陽光パネルの表面温度も最高温が続き、性能が若干下がる傾向があります。時折、雲で遮られる程度の方が、発電量が多くなるケースもあります。

晴れ(70%~)

全雲量が2-8割が該当します。晴れといっても、雲量8割まで対象ですのでほぼほぼ曇りという印象の日も含まれるかもしれません。発電量の見込みには、雲の種類と雲量を意識する必要があります。

晴れ時の雲で最も代表的なものが積雲(わたぐも)です。モコモコした見た目の通り、下層の雲で密度が高いため、太陽光は直接透過しにくいという特徴があります。太陽が遮られると一時的に発電量は低下しますが、反射光(全天の青空)も強いので下がっても50%程度です。

雲量が増えるほど太陽に遮られる時間が増え、発電量は下がっていくわけですが、雲量が多くても70%程度は発電できると見込んでよいです。

次に、巻積雲(うろこぐも)や高積雲(ひつじぐも)が上げられます。どちらも積雲より高層に位置し、空一面にまばらに広がる特徴があり、積雲と比べれば太陽が遮られたときのメリハリはありません。

どちらも晴れに区分される雲量であれば、太陽の存在は十分感じられ、雲量が多めでも70%程度は発電できると見込んでよいです。

薄曇り(60~80%)

主に上層に位置する雲による曇りは薄曇りと呼ばれます。雲量が9割以上で、中層下層の雲が少なく、上層にある巻層雲(うすぐも)、巻積雲(うろこぐも)で空一面覆われた状態です。

青空は基本的に見えないのですが、一般に上層の雲は太陽を遮るほど密度は高くないため、太陽の存在はしっかり感じられ日陰もできます。60%程度以上は発電できると見込んでよく、雲量によってはかなりの発電量も見込めます。

曇り(20~70%)

雲量が9割以上で、中層下層の雲が支配的な状態です。よく見かける雲として、層積雲(くもりぐも/うねぐも)、高層雲(おぼろぐも)が挙げられ、それぞれ日差しの遮り方も異なります。

層積雲は、曇りの日の代表的な雲で、様々な形状があり、厚み含めてダイナミックに変化します。基本的には暗い雲であり雨が降らせることもあります。

一方、厚みによっては太陽を透過する場合もありますし、形状、密度によっては、時折太陽も顔を出す場合もあります。よって、得られる日照量もかなりの幅が出てきて、発電量は20-70%位が目安になろうかと思います。

高層雲は、名前とは異なり中層雲に分類されます(紛らわしいです)。灰色のベール状の雲で空一面に広がります。また別名の通り、ぼんやりと太陽光を通すことも多いです。こちらも雲の状況により幅がありますが、発電量は30-60%位が目安になろうかと思います。

雨(5~20%)

定義的には雲量には関係ありません。確かに晴れているのに雨という現象もあります。ここでは一般的なまとまった雨を前提にすると、多くは乱層雲(あまぐも)に広くおおわれている状態になります。

乱層雲は雨をもたらす典型的な雲で、温暖前線や低気圧の影響で湿った空気が上昇することで広範囲に形成され、比較的長時間の雨をもたらします。

太陽光もほとんど通すことがない暗い曇天も特徴で気が滅入る感じです。当然ながら、発電にも非常に厳しい環境であり、高くても20%程度で、低ければ5%程度に落ち込みます。

まとめ

ここでは天気毎の基本的な雲の特徴と発電率の目安をまとめてみました。天気予報で同じ晴れ、曇りと言っても、発生する雲の種類/雲量や実際もたらされるその日照量には大きな幅があります

前日の天気予報から、このような雲の状態まで予想するにはより専門的な知識が必要となりさすがに難しいかもしれません。ただ、少しでも雲の知識が付くと、空を見上げて、発電量を推測する楽しみもできると思います。

次の記事では、ここで記載した内容を元に、天気と発電量の関係図をイメージとしてまとめています。

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