設置・配電関連 | 施工会社任せにしない

蓄電池選びのポイント

はじめに

蓄電池システムのメーカ/機種及び施工会社を決定した後には、実際の設置工事というハードルがあります。

設置場所を指定すれば、後は施工会社にお任せというのは間違ってはいません。施工会社もプロであり、現場に応じて詳細な設置場所や、配線の取り回しの提案してくれますし、最終的には見栄え良く仕上げてくれます。

一方、今回蓄電池を設置した経験を元にすると、太陽光発電ほどは単純ではありません。蓄電池本体はかなりの大きさで、パワコンに物理的に複数の装置が分かれている場合は、どこに何を設置して、どのようにすれば最短で配線できるか、様々な選択肢が出てきます。

システム構成が複雑になるほど、誰が施工しても同じというわけではなく、施工者の経験やセンス問われてくると感じます。

設置するのは我が家であり、できるだけ自宅への工事インパクトは小さくしたいです。設置後も、日々目にすることになるので、やはり見栄え、仕上がりは気になります。我々も機器間の配線に対する基本的な知識をもっていることは大事です。

この記事では、機器の設置・配電工事に関わるポイントについて考察します。

本体

容量にもよりますが、蓄電池本体はサイズも大きくかなり重量があります。10kWhクラスだと100kgを超えます。一般には、屋外に床置き設置とする場合が多いと考えられます。

設置性を考慮して前後の厚みを抑えた設計が多いですが、装置の専用台座を含めるとある程度の面積は必要となります。専用台座を使えない場合は、工事のカスタマイズ費用がかかりますので、専用台座も含めて事前に設置スペースがあるか確認が必要です。

性能や設置工事とは関係ありませんが、可能であればデザイン性も配慮された製品がよいです。本体は大きく目立ちますので、普段目にするような場所に設置するのであれば尚更です。目にするたびにカッコいいと思える製品だと満足感もアップします。

一体タイプ/分離タイプ

本来、蓄電池とパワコンは独立した役割であり、容量と出力を任意に組み合わせることができるという意味でも、従来は分離されて設計、製品化されていました。

一方、必ずセットで連携して動くシステムであり、装置の小型化、設置しやすさの観点で、一体化されたタイプも多くなってきています。

それぞれ、一長一短がありますので比較検討が必要ですが、配線工事という観点では同じ筐体に収めた一体型が有利な場合が多いです。

分電盤の周辺

既に太陽光システムを設置しているのであれば、宅内の分電盤の周辺には、太陽光用のブレーカやパワコンも設置されているケースが多いと思います。

蓄電池システムを設置する場合は、できればそれらに近接した場所で、蓄電池システムを組み込むための新たな機器類を設置する必要があります。

蓄電池の分電盤への接続

全負荷対応の場合は、電力会社の電気と蓄電池システムの電気を切り替えるための機器が必要です。

  • メーカにより、接続箱、リレーボックス、電力切替ボックス、全負荷用分電盤、ゲートウェイと呼び方も様々で、切り替え以外の機能も含まれているものもあります。
  • 既存の分電盤をそのまま活用できる場合と、高機能で収容能力の高い分電盤に置き換えを前提にしている場合もあります。

特定負荷対応の場合は、特定負荷専用の分電盤を新たに設置する必要があります。停電時のみ利用される専用の分電盤です。

いずれの場合でも、分電盤周りの機器(箱)が更に増えることを覚悟する必要があります(汗)。

  • 分電盤周辺の機器については、各自宅の設備、設置スペース等でも変わるため、現地調達の扱いになり、実際に見積もりを取ってみないと見えてこない場合も多いです。
  • 見積もりが出てきた段階で、どのような用途なのか、オプションなのか必須なのか、設置可能なスペースがあるか等の確認の上で進める必要があります。

まとめ

私も最初に蓄電池システムの比較検討を行った際には、ここに記載の項目については特に意識していませんでした。実際に見積もりを取ってみて、付属機器の必要性や設置工事へのインパクトを深めていった感じです。

当然ながら、宅内の機器の設置、配線工事についても無駄なく、できるだけ見た目も綺麗に仕上げたいところだと思います。

どのような機器が増えるか、どのような配線が必要となるか等、興味を持つことは重要です。施工業者からの提案についてもそのまま鵜呑みにせず、疑問点は確認しながら進めると、よりよい設置、配線方法が見つかる可能性も高く、工事への納得感も高くなります

次の記事では、今まで個別に取り上げてきた蓄電池システムの容量、機能等、メーカ/機器選定する際に押さえておくべき基本知識について、チェックポイントとして整理しています。

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