はじめに
太陽光発電はメンテナンスフリーで毎日稼働し、電気代削減に貢献してくれています。ただ、卒FIT後は売電収入も一気に落ちたこともあり、その有難さを忘れかけていました。
初期費用分は回収できたし、後は正常に動いてくれて小遣い程度の収入でも入るのであればラッキーという感じです。卒FITの方は、程度の差はあれ同じような捉え方をしている方が多いと思います。
今回、蓄電池への興味がきっかけとなり改めて太陽光発電の価値を見直したところで、今後も長く有効活用したいと思うようになりました。その鍵になるのは、やはりよく言われている通り売電から自家消費という時代の変化です。
直近10年の変化、次の10年の変化
太陽光発電を設置した10年前とは明らかに状況が変わっています。以前は普及が最優先でしたが、現在は我が国の電源構成の10%程度を占めるまでに普及しており、地域、季節、天候状況によっては日中の電力が余剰となるケースも発生しています。
この環境変化については、過去の関連記事も参照ください。
現在、卒FIT後も価格は下がったとはいえまだ売電も可能ですが、10年後はどうなるのでしょうか?次の10年、その先を視野に入れるのであれば、自家消費が中心という時代です。
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誰のための発電?
今後、売電需要が先細りすることを考えると、残るは自家消費するしかありません。いくら発電量が多くても、その分売電できない、自家消費もできないとすると意味がなく、単に屋根に重量のある太陽光パネルを載せているだけになります。
逆にいうと、自宅の屋根にわざわざパネルを載せて、しかも毎日発電しているわけですので、できるだけ買電しなくて済むように自家消費で活用するライフスタイルが理想です。
太陽光発電と蓄電池の関係
自家消費の時代でも、あくまでも電気を作り出す太陽光発電が主役です。その主役と並ぶもう一人の主役が蓄電池と言えます。日没後に一切電気を使わないという生活をしない限り、蓄電池は不可欠です。
太陽光発電が既に設置されているのであれば、蓄電地さえ揃えば、天気が良い日には買電量0の自給自足の生活が実現できます。もちろん、パネル容量、蓄電池容量、消費電力量のバランス次第ですが、我が家の場合は、冬季以外で天気がよければ自給自足できています。
売電中心から自家消費中心へ
売電時代のお得分はずばり「売電量による収入」です。すなわち、自家消費できるかは関係なく、発電量を増やせば増やすほどお得になりますので、つまりはパネル容量の大小が経済効果を左右する時代でした。
一方、自家消費時代のお得分は「買電額の削減」です。すなわち、最大でも買電額が経済効果の上限となります。自家消費の観点では、買電量以上の発電量には価値がなく、パネル容量の大小がそのまま経済効果に直結する訳ではありません。
今でも両方のお得分がありますのでミックスして経済効果を考える必要があります。一方、10年前とは明らかに状況が異なっており、今後ますます売電に期待できなくなるのは明らかと言えます。
そもそも、太陽光発電割合の上昇に伴う需要供給のアンバランス問題や、国内外のエネルギー問題の解決という観点でも、太陽光発電の自家消費が推進されているのは周知のとおりで、国を挙げて蓄電池を組み併せて自家消費中心モデルに移行することが求められていると言えます。
自家消費分がカバーできればOK
太陽光発電の容量に関しても、今後は自家消費分がカバーできていれば十分となります。
例えば、我が家の4.14kWのパネル容量の場合では、最大28kWh程度の発電量が得られますが、対して自家消費分は10kWh程度です(冬季以外の場合)。パネルの汚れなど、発電効率が若干低下している程度であればあまり気にしなくてよいということになります。
ここで、誤解が無いように説明を加えると、自家消費率を上げる意味でやはりパネル容量が多いことに越したことはありません。
パネル容量は発電量の底上げに掛け算として効いてきますので、日照量の少ない日等は確実に自給自足率を高めることになります。但し、その分の経済効果で考えると、売電中心の時代と比べるとかなり限定的と言えます。
冬季のエコキュートは例外扱い
もう1点、触れておきたいのはエコキュートの消費電力です。この機器はガスの代替でもあり、特に冬季の消費量が大きくなる点に留意が必要です。
冬季のエコキュート分も含めて自給自足を目指すと、必要な太陽光パネルも蓄電池もかなりの容量が必要となり、一般的な家庭では現実的ではなくなります。夜間電力で動作し、料金も抑えられているので、その一部でも自家消費出来たらよいという程度で考えておくのが良いと思います。
冬季以外に関しては、それほど目立つ消費量ではなく、むしろ太陽光による余剰電力の有効な自家消費先となりますので、まだ設置されていない方は、自家消費時代に向けて設置を検討することをお勧めします。この点については、過去の記事で触れていますので、そちらも参照ください。
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まとめ ~ 太陽光発電をこれからも最大限活用
太陽光発電の耐用年数は長く、少なくともパネルについては一般に30年程度は持つとされています。我が家の太陽光システムは13年目ですが、後17年は発電し続けてくれると期待しています。
近い将来にはEV、PHEVにて新たな電力が必要となりますのでその際も太陽光発電は強い味方です。
これから先も自宅で太陽光発電と共に暮らすことになりますので、我々も時代の変化に合わせて賢く活用したいところです。最初の10年は売電中心でしたが、これから先はステージを切り替えて自家消費をメインに、蓄電池を組み合わせて積極的に自宅で発電した電力を活用していきたいと思います。
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