蓄電池をお勧めできる方 | いろいろな価値観と将来性

蓄電池のススメ

はじめに

蓄電池は容量が小さくても設置込みで150万円程度、容量、機能に応じて200-300万円の費用となります。10年位で元が取れれば決断しやすいですが、前回の記事で触れている通り、ベースラインとして20年程度は覚悟しておく必要があります。

一方で、蓄電池の設置の是非を、現時点で試算される経済効果のみではなく、様々な視点、いろいろな価値観も組み合わせて捉えておくことは有意義だと思います。

そこで、総合的に蓄電池の設置をお勧めできる方を下記にまとめます。

  • 余裕資金があり長期的な投資として位置づけられる
  • 太陽光発電かつオール電化
  • 将来の電気代の上昇が不安、リスクヘッジしたい
  • 停電時の備え、自給自足の安心感
  • エネルギー問題解決、環境保護に貢献したい
  • 将来EV, PHEVへの乗り換えを考えている
  • 卒FIT(安価な売電がもったいない、蓄電池生活に興味有)

蓄電池をお勧めできる方

以下、項目毎に説明します。

余裕資金があり長期的な投資として位置づけられる

これは最も基本的な条件かもしれません。初期費用を回収できない可能性も高いですので、余裕資金でないと日々ストレスを抱えることになります。逆に、長期的な投資ととらえられれば、身近で将来性もある投資といえます。金額の程度はあれ、毎月確実に節約効果を感じられるのも魅力です。

太陽光発電かつオール電化

既に太陽光発電がありかつオール電化であれば、蓄電池の導入の効果は大きいです。卒FITの方でも、これからもまだまだ太陽光発電は稼働しますので、やはり自家消費に使えないのは非常にもったいないです。

現在オール電化でない方は、設備の更新に合わせてオール電化とし、併せて蓄電池を設置できれば、太陽光発電の恩恵を最大限に得ることができます。

将来の電気代の上昇が不安、リスクヘッジしたい

蓄電池を設置し太陽光の余剰電力を自家消費することで、月々の買電量、電気代を確実に削減することができます。2022年後半から2023年前半にかけて、エネルギー調達リスクに関連し電気代が一気に高騰し、その時は一体どこまで上昇するのか大きな不安を覚えました。

今後、エネルギー問題やインフレ等の影響で電気代が上昇していったとしても、そもそも買電量が少ない分その影響を抑えることができます。

停電時の備え、自給自足の安心感

国内の電力網は極めて安定しており、普段は停電のリスクを意識することはないと思います。

その一方で、地震、台風、大雨、雷等の自然災害によるものは防ぎようがなく、規模の大小はあれ、災害に伴う停電も発生しています。近年でも千葉、長野、熊本の豪雨による大規模被害は記憶に新しいところでしょう。

地球温暖化に伴う気候変動による影響は実感できるところであり、今後もリスクは増加傾向にあるといえます。よく言われていますが、大地震についても、今後30年以内に高確率で発生することが予想されています(参照元:内閣府ホームページ)。

このような災害被害はわが身には起こらないことを願うわけですが、万が一起きてしまった際、停電時に電気が使えるというのは大きな安心感です。太陽光発電と蓄電池があれば普段と変わらないような生活を維持できます。

電気で長時間自立できるというのは大きな保険と考えられます。

エネルギー問題解決、環境保護に貢献したい

エネルギー供給の安定化は世界的な課題であり、特にエネルギー資源の少ない日本においては喫緊の問題といえます。多くの家庭で、太陽光発電と蓄電地を導入できれば、エネルギー問題の多くは解決します。

太陽光発電はクリーンエネルギーであり、家庭用は自宅屋根に設置できるため環境問題も皆無であり、日中しか使えないという欠点は蓄電池が完璧にカバーしてくれます。

各家庭が導入していかないと、エネルギー問題は解決できないのは明らかです。環境保護に率先して貢献することになります。

将来EV,PHEVへの乗り換えを考えている

日本でもEV(電気自動車)販売も本格化しつつあり、EV時代が到来するのは確実です。もっとも、ガソリン車と比べてまだまだ高額ですし、充電設備というインフラの問題もあります。よって、移行するまでには長い時間がかかると思われます。

一方、EVとガソリン車のメリットを併せ持つ、PHEV(プラグインハイブリッド車)の選択肢も増えてきました。買い物等の普段の近所移動はEVとして活用でき、休日の長距離移動ではガソリン車として使えるのは非常に魅力的です。

EV、PHEV共に、自宅で充電できるのが最大の特徴となりますので、太陽光発電による余剰電力を活用できればまさに一石二鳥となります。ここでも、プラスして蓄電池があれば時間の制限を受けずに余剰電力を活用できることになります。

なお、EV、PHEV内蔵の充電池を自宅でも活用可能なV2H(Vehicle to Home)というシステムも販売されています。災害等での停電時にはかなり有効ですが、そのまま自宅用の蓄電池として普段使いで日々活用できるかというと制約があります。

当然ながら、車で外出すると自宅用の蓄電池としては使えないことになります。更に、太陽光の余剰電力で車を充電したい場合は、日中にタイミングが限定されることになります。

これも自宅専用の蓄電池があれば、いつでも自宅でも車でも、余剰電力の活用が可能です。車の利用に制限を感じることはありません。

私も、PHEVへの乗り換えを検討しており、乗り換えた際には蓄電池の活用の観点も合わせて、ご報告したいと思います。

卒FIT(安価な売電がもったいない、蓄電池のある生活に興味あり)

卒FITの方々は、単純に売電収入が減ってもったいない、蓄電池のある生活も興味ある、と感じられていると思います。新しい生活にトライしてみるという観点も含めて、一歩踏み出してみることをお勧めします。

元は取れないかもしれませんが大きく損することもなく、それ以外の様々な価値を考えれば、総合的には導入する価値はあると思います。

まとめ

そう遠くない将来には太陽光発電と蓄電池のある生活が基本になります。後はいつ導入するかという話です。

費用対効果のみに着目するとまだ少し早いと感じるかもしれませんが、ここに記載したような環境にある方、あるいは意識を持たれている方は、率先して導入してもよいタイミングだと考えます。

特に、卒FITの方は既に太陽光発電という素晴らしい資産があるので、これからも最大限活用するという意味でも蓄電池の導入を是非検討して頂きたいと思います。

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