はじめに
この記事は主には卒FITの方を対象としていますので、ほとんどの方は日々の太陽光発電による余剰電力の有効活用に最大の関心があると思います。
無論、停電時への備えも目的の1つですが、やはり日々経済的効果を得るべく、自家消費を高めることが最大の動機付けになると思います。
この記事では、まずは自家消費という観点で蓄電池の役割について考察しました。
なぜ蓄電池? | 本質は需要と供給のマッチング
現代生活は電気なくして成立しません。誰もが自宅で四六時中電力を必要とします。一方、太陽光発電により発電される電力は日中に限定されます。
自宅で必要とする一日の電力需要と太陽光発電による供給の間には時間的なミスマッチがあり、そのままリアルタイムで自家消費できる電力は一部に限定されます。
この両者を唯一マッチングできるのが蓄電池です
下の図は、蓄電池によって自家消費が最大化されることを概念的に示したものです。蓄電池が、需要と供給の間の時間的な制約を取り除き、両者をマッチングさせることができます。
具体的にいうと、日中発電時にリアルタイムで消費できず余剰電力として売電していた電力を、日没後の電力に充当可能になります。
蓄電池が自家消費を最大化
現実的には、日々の天候、季節変動によって、発電量と消費量の大小関係はダイナミックに変化するため、基本はピッタリ一致することはありません。一方、どのようなバランスであっても、蓄電池がその重なり(=自家消費)を最大化すると考えることができます。
そして、蓄電池の容量がマッチングできる電力量の上限を決めることになります。重なりの量は、発電量または消費量の一方の値のみから判断できません。実際に発電量、消費量の大きさのバランス、季節変動を考慮して最適な容量を判断する必要があります。
売電量と買電量は減少
蓄電池によって自家消費が最大化されるということは、その分買電量が確実に減少することになります。同じ分、売電量も減少しますが、売電単価<買電単価である限りは、経済的に合理的です。
ある程度のパネル容量があれば、冬季以外かつ天気が良い条件においては、発電量が消費量を上回ことになります。蓄電池の導入によって買電量がゼロとなった上で、充電できなかった残りは売電に回せるというのが理想のパターンになります。
まとめ
この記事では、自家消費における蓄電池の役割について、発電量と消費量の観点から説明しました。
本質は時間制約のない需要と供給のマッチングであり、どのようなバランスであったとしても、蓄電池の容量に応じて自家消費が最大化されます。
次の記事では、適正な蓄電池容量の考え方について、自家消費が可能な電力量から考察します。
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