電気を取り巻く環境の変化 | 卒FIT後に感じること

蓄電池のススメ

はじめに

卒FIT 後は売電先を任意に選択できるということで、売電単価が高めな単価11円/kWhの業者と契約しています。以前に比べると単価は4分の1程度で以前の売電収入と比べるとかなり物足りないですが、余剰分を売電できるだけでもよいと考えていました。

一方、2022年末から2023年にかけて電気代が高騰したのを機に、太陽光発電の将来の有効活用を考えるようになりました

太陽光発電の弱点

太陽光発電の弱点は、あたり前ですが日中しか発電できないことです。春先などの条件のよい時期は、ピーク時はパネル容量に近い発電量が得られます。一方、その量の発電量をリアルタイムで自家消費することは現実的ではありません。

よって、自家消費できない分は余剰電力として売電することになります。我が家では発電量に対してざっくり7割程度は自家消費できずに売電している運用になっています。

普通の生活をする限りにおいては、日中消費にシフトできる電力量は多くありません。基本的には日没後から多くの電力を消費することになります。折角、自給自足できる程度の発電量があるのに、自家消費できないのは本当にもったいなく感じます

余剰電力の売電はいつまで可能?

2023年度のFIT制度の売電価格は16円/kWh(10kW未満の設備の場合)と設定されており、当初の4分の1程度です。制度設計通りという事になろうかと思いますが、太陽発電設備の導入費用も下がり、普及が進むのに合わせて、売電単価は下がってきています。

FIT制度による普及で太陽光発電による電力量は、我が国の発電量の10%相当に達しているというデータがあります(参照元:環境エネルギー政策研究所)。

この程度の割合に達すると、日中しか発電できない点や天候に左右されるという特性上、電力の安定供給という観点で大丈夫なのか?と電力会社側の状況について心配になります。

実際に、地域、季節によっては日中の時間帯は太陽光電力が余剰となり、系統への電力流入(売電)が強制的に停止されるという事象も発生しています(参照元:九州電力)。

また、電力の卸取引市場である日本卸電力取引所(JPEX)にて、過去2003年からの30分単位の取引価格が確認できるのできます。近年は温暖期の快晴時の日中の取引単価は0円です(参照元:JPEX)。例として、下記は2023年5月24日の東京エリアでの30分毎の取引単価です。

一日における電力の取引単価の推移例

もちろん、季節や日々の時間帯の電力需要によっては高い価格で取引されてはいます。ただ、今後の大きな傾向としては発電がピークとなる日中の売電需要は減少するだろうと思われます。

2023年6月現在で、東京電力の買取単価は8.5円/kW固定ですが、このまま普及が進むと将来的に買い取ってくれるのか不安を感じます

無論、夏の酷暑の時期等、快晴時でも電力需要がある時間帯はありますので、全く買取がなくなるとは考え難いですが、将来的には日中の売電にはあまり期待しないほうがよいと考えるようになりました。

将来の電気代はどうなる?

今後10年で電気代はどうなるのでしょうか?

平均的な一般家庭の電気使用モデルに対する過去20年の電気料金の推移データによると(参照元:東京電力)、6000円をボトムラインとして上下動を繰り返しているように見えます。

直近では、2023年1月にはウクライナ情勢の影響も受けて9000円程度まで上昇したのち、激変緩和措置として政府から支援費用が投入された影響で7000円程度に落ち着いています。

物価自体もこの20年は変わっていませんでしたが、昨今の国際情勢に起因して継続的な物価上昇も続いており、それに合わせてようやく賃金上昇傾向もみられます。

政府もインフレ目標2%を掲げており、インフレによる景気の好循環を期待したいところですが、物価、賃金上昇に連動して電気代も上がることになります。

発電コスト自体についても、エネルギー調達リスク、原発建替問題、自然エネルギーへの移行のためのコスト負担等、あまり値下げにつながる材料はなく、中長期的には上昇傾向にあるとみるのが自然だと思います。

国民の生活に直結するため政策的な取り組みも行われ、長期に渡り極端に上がるということは考えにくいとは思われますが、決して楽観はできないと思います。

物価連動、発電コスト上昇の影響にしても、自宅で太陽光発電+蓄電池で自立できていれば影響は最小化できることになります。

蓄電池を組み合わせ自家消費の時代へ

上記の外部動向(売電に期待できない、中長期的な電気代上昇)を考えると、やはり太陽光発電分は全て自家消費できるのが理想です。そこで蓄電池の出番となります。

蓄電池さえあれば、日中で自家消費しきれない余剰電力を蓄え、日没後の電力消費の多い時間で自家消費するという理想が簡単に実現できます。

まとめ

折角我が家で発電した電力なのに、自宅で使い切れずに単価の低い売電に充てられるのはもったいない状況と言えます。その状況が蓄電池によって完全に解消される共に、将来的な余剰電力の売電単価の低下や、電気代上昇時のリスク回避に直結します。

一方、多くの方々にとってそのメリットは理解できても、まだまだ蓄電池は高価であり具体的な費用対効果が不透明でまだ踏み切れないという状況だと思います。

そもそも費用対効果という観点では、我が家のようなオール電化住宅の方が電力消費量も多くその分得られるその恩恵が大きいです。

そこで、次の記事では、電力消費量の分析とオール電化による影響について考察していますので、併せてお読み下さい。

次の記事

前の記事

タイトルとURLをコピーしました